介護拒否と感じたら。

ケアのお話

とにかく驚かせない。

認知症の方のケアに関わっているとケアを拒否された、怒鳴られた、暴力を振るわれたといった経験のある人は少なくないと思います。

私は何度か噛まれた事がありますが、歯がない方でしたら全然噛んでもいいですよって笑っていました。

噛んでる方は必死ですからヘラヘラされると本当に腹がたったことと思います。

そもそも噛むという行為は何をしても敵わないと感じた時に出るもので、私の身体能力が相手を大きく上回っていたという事です。しかも噛まれても笑っているのですから本当に恐怖を感じたはずです。

オムツを替えようとする私とそうはさせまいと頑張る患者さんに噛まれた事もあったと思います。両手は私との攻防で塞がっていたのですね。

なんだかムキになってしまって何がなんでも今これをしないとほかのスタッフに迷惑をかけるとか、自分の評価が下がるとかそんな思いもあって後に引けなくなったものです。

けれど、そこまで頑張らなくていいんですよね。

だれそれに迷惑をかけるとか注意を受けるとかそんな事どうでもいいんです。

全てこちらの都合です。

嫌がっている時に無理にケアをしなくてもいいと思うのです。と言っても施設によっては手際の良さ、効率の良さに価値を置かれるかもしれないですが。

認知症ケアで有名なユマニチュードという技法はご存知でしょうか?

見る 話す 触れる 立つを4つの柱とし、ケアの5つのステップを提言したものです

参照 日本ユマニチュード学会

相手を大切に扱う時に誰もが自然にとっている行動を文字で表現してくれた技法だと思います。逆に言うと、そういった行動が取れていない時は相手をぞんざいに扱っています。

患者の顔も見ずにどこか別の方向を見ながら適当に相槌をうつ、いきなり腕を掴んで血圧を測ろうとする。

夜中にいきなり布団をひっぺがしてズボンを下ろしオムツを替えようとする。なんて事する人は絶対にいませんが、難聴の方は聞こえないのでこのように感じている場合もあります

なんにせよ、こんな態度をとっていたら認知症関係なく誰でも怒りますので叩かれてしかりですね。

最初の導入を失敗するとなかなか受け入れて貰えないので私が特に気をつけているのは驚かせないという点です。びっくりするとドキドキしてパニックになったり怒りの方向に向かいやすいからです。

いきなりドアが開かれるとびっくりしますよね。なのでまずはノック、ひと呼吸置いてそっと開けてみる、ちょっと顔を覗かせて声をかける、相手の了承が得られたら部屋に入ってみる。といった具合なのですが、どんな時もこのひと呼吸置くというのが大事と思います。ワンクッション入れて心の準備をする時間を作るわけです。

いきなり掴むのではなく最初はそっと触れてみる。電気をつけるまたは消す時なんかも同じですよね。心の準備をして貰えるよう必ず言葉で伝えながら行動します

導入に失敗して興奮させてしなうこともあります。そういう時もまた学びです。ちょっとテンポが早すぎたかな、気持ちが焦っていて態度に出てしまったかな、手が冷たくて不快だったかな、などなど。

お部屋を出る時は必ずまたお顔見にきますね、と声をかけて退室しています。

不思議なもので患者さんに辛い思いをさせてしまうとその罪悪感、無力感で自分も辛くなりますよね。だからお互いハッピーになるケアができると幸せです。

介護を拒否されると申し訳ない気持ちになったり嫌な感情が湧いてきたりしますよね。まずは驚かせないことを意識してみてください。そうすると自ずと所作が優しくなり物腰が柔らかくなります。

きっといい方向に向かうと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました

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